一見、結構古そうな、五光留め(星留め)のダイヤモンドのペンダントに見えますが…
パカッ っとふたを開けてみると、中には方位磁針が!
針もさびてしまって、なかなかの時代感を感じさせますが、
方位はキチンと北と南を示してくれています。
時代は、戦前のもので間違いない気はします。
刻印は
[K18](陽刻) □にS
四角にS で、鈴木銀次郎 なのかなぁという気はしますが、どうでしょうかね?
Sという刻印は他にもいろいろあるようですが、四角&S そして字体・・・
ホントのところはどうなんだろうと気になるところ。
ダイヤモンドは、テーブル面が現代のものより狭く時代を感じさせるカットです。
キュレット(下側の先端)は、尖っています
五光留めの技も秀逸でビシッとごく細く伸びた線
中央部は、タガネで爪を起こしてダイヤモンドを留める爪を作るのですが、その爪がプリっと丸くて綺麗でカワイイんですよね…
昔に比べて、現代社会はいろいろなものが進んでいますが、
こういう爪一つに注目してみると、進んでいるというか退化しているというか、失われているというか…
現代のものでも上手なものはもちろんありますよ。
でも、全体としての印象では、失われていっている感は強いですね・・・
それと、蓋の開閉時のカチッと開き、カチッと閉まる際のクリック感。素晴らしいです。
針は、サビサビです。時計で言う文字盤に当たる部分もいたんでいます。
表面の成分を調べました。
蓋の銀色の部分は、プラチナでした。
ケースは18金。
以下は検査できませんでしたが、
文字盤は当然貴金属ではないと思われます。
針は錆びた鉄。
透明プラスチック?の枠の部分はメッキだと思います。
職人さんと相談の結果、このまま納品した方がよさそうでしたので、仕上げ、洗浄はせずにこのままの状態でお届けいたします。