昭和のエメラルドリング。
昭和、平成、令和。
ここまでくると、昭和のジュエリーは、ビンテージになった、育ってきたと言ってよいのではないでしょうかと思うわけです。
皆さんと一緒に、日本産ビンテージジュエリーコレクションを増やしていければと思っております。
それはさておき、
ハンドメイド感あふるるリング。
鋸刃で一本一本透かした千本透かしの隣に、手巻唐草。
この唐草いいっすよね〜
と、語りたいところですが、千本透かしマニア以上に、唐草マニアは少ないので、
言葉のキャッチボールができず、一方的にボールを投げるばかりですが、
この唐草の何がいいかを考えながら写真を見て頂いて、続きは写真の下に書きましょうかね(笑)
うーん、わかりましたかね?
普通、唐草は金や、プラチナの細い板をくるんと曲げて作ります。
中には、先端を薄くしていくものや、斜めにカットして、唐草の先端を細く見せようとしているものもあります。
そういうものを見ると、作り手の意図、こだわりが伝わってきて、あぁ、いいなぁ〜
と、なるわけですが、
こちらは、逆に先端を折り曲げる程に曲げて、先端に厚みを持たせています。
これも、立派な意図ですね。あえて先端を丸く見せている・・・
こんなどうでもいい事、本当にどうでもよい事なのですが、
ひたすら唐草を見続けてて来たら見えてくるものがあるんですよね・・・。
これは珍しいパターンだと・・・
そうなってくると、ぼんやりしていた作り手の輪郭線がよりはっきりしてくるのです。作り手の存在感をより身近に感じることができるというかなんというか・・・
例えば、唐草の曲線。このウエーブだってよくあるものではないんですよ。
一般的なものは、円を描くようなカーブです。 沢山、唐草を見て頂ければわかります。
限られたスペースの中でプラチナ線を右に左に曲げています。
些細なことと言えばそうかもしれませんが、誰も気づかないような場所で些細なことにこだわって作っているんですよね。一本の唐草から、この作り手の意識の高さが伝わってきます。
誰も気づかない。言わなきゃわからない事ですから、99%の人にとってはどうでもいい事なのかもしれません。
当時のデザイン画にそこまでの指示はなかったと思いますし、手にされた方もこれが意図を持った唐草であることはわからずに使われていた可能性は高いと思いますが、作った人は明らかに明確な意識をもってリングを作っていますね。
作り手の意思、仕事に対する姿勢を感じることができるのも手作りのジュエリーの楽しさの一つだと思います。
そんなことを気にしなくても、普通にカワイイリングですけどね。
エメラルドのコンディションは経年を考えるとよい方だと思います。ダイヤモンドも綺麗です。
刻印は
[P.m](陽刻) 100 21
仕上げ他メンテナンスの後納品いたします。