日本製の古いジュエリーを探していると時代によって、
時代の空気感というか、作り手の姿勢の違いを感じる事はよくあります。
こちらのリングですが、
千本透かし全盛の時代にはあり得なかったでしょうし、
平成の後期や、令和においても中にはあるかもしれないけれども、なかなかないだろうなぁと思えるリング
目立たせるという事に対する臆することのない姿勢
清々しいですね
リングは枠と石座が一体化しているタイプではなく
輪の上に鎮座しているタイプ
リングは鋳造ではなく、板を曲げて、端に切れ込みを入れて広げてロウ付けしております。
その上に石座を組み上げています。
唐草は手巻きというには疑問の残るところがあり、
一本一本鋳造したものをロウ付けしたのかな?
という印象ですが、今度職人さんに聞いてみたいと思います。
上に上に臆することなく伸びた石座の上に、
これまた福禄寿の頭のように上に上に伸びたファイヤーオパールが覆輪留めでセットされています。
君はどれだけ上を目指しているのか?と問いたくなります。
小さくまとまろうとかそういうメンタリティとは真逆
そういう姿勢が作品を通して見え隠れする時代
個性的であるという事が現代以上に許容されていたのではないかなー
と、思いを馳せたりしながら見ていると何だか元気が湧いてきます。
汚れ具合などから使用感は割と感じられますが、オパールのコンディションは良く、
気を使いながら使用されていたことが想像できます。
サイズは11号か、もしくは10.8号位?
サイズ直しの痕跡は確認できませんでした。
(だからといってサイズ直しされてないとは言い切れないのですが)
時代は昭和50-60年代前後と思いますがいかがでしょうかね?
刻印は
[K18](陽刻)
仕上げ他メンテナンスの後納品いたします。
汚れの除去、経年の変色を戻す、磨きを行います。
ミル打ちの粒が現状で全部残っているわけではありませんが、これ以上損なわれないように軽めの仕上げを行います。