日本の職人さんによって作られたヴィンテージリング
時代は、うーん昭和40年代前後?でしょうか??
スタイルは唐草ですが、地金の使い方が節約型というか、やや線が細めで、どっしりガッシリというたっぷり地金を使っているタイプではありません。
これは、どちらかというと、千本透かしの時代によく見られた作りですね。
軽量化と装飾を両立させるという思想が垣間見られます。
ただ、面白いのは、千本透かしは割と様式がキッチリしていて、個性の差がわずかでしかないものが多いのに対し、唐草は、特に初期のころのものは割と創作へのモチベーションが溢れているものが多かったりしますが、
こちらも、ご多分に漏れず爪が結構自己主張気味です。
目立たせたいという意識と、地金を節約しないといけないという制約の結果、大きくて薄い爪になったのだと思います。
爪以外でも、石座も割と珍しい構造になっています。
ウォーターオパールは、表面に少しキズがあります。
枠も結構な使用感がありますので、雑な扱いで傷ついたというよりは使用頻度が高かったという事でしょうね。
石の形も結構偏っていまして、平成の時代だと歪んでいる形という表現になったかもしれませんが、令和の今の時代だと、原石の形が連想される個性的な形とも言えます。
歪んだ形のルース。規格品、量産品っぽさがなくて好きなんですよね…
で、そこにはしっかり技がありまして、爪が覆いかぶさるように石を抑え込んでいるのではなく、
壁に手をかける的な感じで石を抑え込んでいます。
現代は、石、ルースに溢れていますが、
当時はもっと宝感があったんでしょうね。
まぁ、今となっては、エチオピアオパールは嫌というほど見ますけど、こういうウォーターオパールも頻繁に見かけることは無くなってきましたが・・・
こちらは、メキシコ産という断定はできませんが、おそらくそうです。
そうでなかったとしても、アフリカ産ではないと思われます。
サイズアップの痕跡あります。
刻印は Pm(陽刻)
中央宝石研究所ソーティングメモ付き
細めの枠ながら、現代まで形は保ててますが、爪が少し緩んでいますので、締め直しまして、仕上げの後納品いたします。