梶田久次郎商店(現Kajita)さんの王冠透かしリング
日本のジュエリーは、どこで作られたかの刻印がないものが多いので、こうやって出処がわかるのはありがたいですね。
セットされている石はカーネリアン
基本、処理がなされているだろうとされている石で
ソーティングメモには
「加熱または着色処理が行われています。」
確か、
とコメント入っていますが、そういう痕跡があったのではなく、
普通処理されている石&色だよね。ってことで無条件に入るコメントだったかと思います。
なんでもナチュラルで綺麗な石が良いのですが
ダイヤモンド、コランダム、エメラルド、翡翠、パライバトルマリン 等でもないのに
検査に費用ばかりかけるわけにいかなかったりしますし、
一般的に高価格帯ではない石種に関しては、鑑別機関も熱心に研究しないので
むしろわからないこと、検査できない、そういうサービスもないことの方が多かったりもします。
ですから、まぁ、この石がよくないというのではなく
どの石も同じような処理がなされている、それがスタンダードなんだと
まぁそんな感じで気楽に考えていただければと思います。
コンディションは、
ルーペで見ると表面に細かい傷が確認できますが、肉眼で見た場合の輝きを損なうほどではありませんし、経年を考えると悪くないと思います。
枠は手作り。
王冠透かし。スカラップ石座。肩は中空。
現代だと、わざわざそこは手仕事でしないというような仕事を楽しめます。
日本が豊かになり、材料をふんだんに意のままに使えた時代の前の時代ですから、地金を節約している思考が働いているのを感じ取れますね。
地金をふんだんには使えない分、手間をかけてより飾ろうとしている。
そういうところが良いんですよねぇ〜
現代だったら、人件費がかかるのでそこまで手間かけてられない。って製品にあふれていますから・・・
大粒の石を支える大きな石座に施された手仕事をお楽しみください。
サイズ直しの痕跡は・・・
うーん、見た所なさそうな・・・
時代は、昭和30年代後半〜40年代位でしょうかね?
刻印は
K18(陰刻) 、 ダイヤモンド型五角形に「K.K」(梶田久次郎商店刻印)
中央宝石研究所ソーティングメモ付き
仕上げ済み