翡翠3石 シングル&バゲットカットダイヤモンド P.m850  複雑構造 手巻き唐草 リング #17 #VJJ22081

↓修理前の写真











ペアシェイプカット2石、オーバルカット1石の翡翠を使用したヴィンテージリング
日本製だとは思いますが、よくあるものとはずいぶん雰囲気違いますので、日本らしさがプンプン香ってくるようなものとはちょっと違っています。

翡翠は、ぼちぼちの色、ぼちぼちの透明感というかそこそこな翡翠というかめっちゃすごいとかいうわけではありませんが、普通に綺麗な感じ。
オーバルのものは割と内部がもやもやしてまして、ペアシェイプの丸っこいほうは表面に黒点がありも内部がやもやもしています、3石の中では縦長のペアシェイプが色が一番薄いものの透明感は一番感じられます。
窓付きの地金の上に翡翠をセットしているような形で、これは翡翠のジュエリーにたまに見られる技法ですが、翡翠の色をより明るく見せようとする意図があります。
目立つ小キズなどもなく丁寧に使われてきた印象です。

ラウンドのメレダイヤモンドがシングルカットというのが良いですね。
昔のダイヤモンドは、原石感であったり、人の手でカットされたんだなというのが良く伝わってくるので1石1石個性がありますね。
そして、バゲットカットのメレダイヤモンドを結構なカーブでレール留めしているというところも面白いですね。
長方形を並べて曲線を表現しようとすると当然隙間ができますが、現代人ならその隙間を埋めたくなるというか、整えたくなるところを、隙間が空きつつも力技で全体のバランスで完成させてしまうというか、細部にこだわらず作品としてのまとまりを目指すという感性にも時代性を感じますね。

作りの話になると話がちょっと長くなってしまうのですが…
多くの場合、手巻き唐草は線というよりは薄い板を巻いていることが多いですが、こちらはプラチナの線と言った方が良さそうなくらい厚みがあるところが珍しいですね。

それと、枠はU字のメインの太い枠にアーチ状に橋を架けるように(指の背側の部分)プラチナ線でリングを作っています。
通常の唐草はもう少ししっかりがっしり枠を作って空いた空間に唐草を配置しますが、今回のリングは造形が複雑、立体的で、同様のリングを見る機会はあまりありません。
この複雑さが故にがっしりとした枠ではなく線で造形したものと思われますが、この造形から見てわかるように地金の分量を減らすためではなく、複雑な造形だったり、重量バランスを考えてのものだと思われます。
ただ、枠になる部分を線にしたために構造的な強度が足りなくなり、結合箇所に複数ヒビが入っておりました。

修理不可能っぽいところもあるし、複数箇所修理の事など考えると、入手してもその後が大変だなぁという思いはありましたが、それを凌駕するだけの魅力がこのリングにはありました。
修理をお願いして出来上がってみると、やっぱり再生してよかったなと・・・
今時、なかなかみなくなっちゃいましたからねぇ・・
いや、もともとそんなになかったか・・・
とは言え、このリングは力がかかると接合部が弱い、切れたままになっているという弱点は残ったままです。
今後はもう大丈夫ですよとは言えません。
ただ、作られて数十年経てこの程度で保ててるということは今後大きく崩れていくという心配はさほどないかもしれません。
弱い部分のあるリングだという認識を持っていただければ割と保てるかな?と・・・
保てなければその都度メンテナンスといいう形で・・・
ヴィンテージの中古車みたいなものでしょうか・・・
そんなに故障はないと思いますが。

よくよくみてみると三回サイズアップしているような痕跡が・・・
うーむ、そりゃこのリングへの負担は大きかったでしょうね

このリングに関しましては、サイズ直しご希望の場合は、サイズ直し後1年間、切れた箇所があれば無料で接合します。
チェックするのが難しい方は、1年後当店にお送りいただきましたらこちらでチェックして対処いたします。

そこまでやれば、その後は割と安心ではないでしょうか?

時代は・・・
どんなもんでしょう。昭和40−50年代??

刻印は P.m850(陽刻)

ジェムリサーチジャパンソーティングメモ付き

型番 #VJJ22081
購入数
soldout