こういう雰囲気で、このアームの細さで考えると、千本透かしと考えるのが普通ですが、なぜか手巻きの唐草。
角ダイヤモンドはフクリン留めにミル打ち。ミル打ちがなくなっている部分もあります。まぁ、これは経年の使用により凹凸がなくなってしまっているのか、一度は仕上げをなされている雰囲気はありますのでその際に消えてしまったのか？
いずれにせよ、類似するリングは見かけたことがないので、手に入れたいかそうではないかというところになると答えは決まってますね。
角ダイヤモンド部分の下は、千本透かし的な縦長の窓。
驚いたことに、ラウンドのダイヤモンドの取り巻きは大きさがグラデーションになっています。
側面からの眺めも良く、唐草の上の部分にもすき間があります。
唐草はどちらかというと地金をふんだんに使っているものも多いのですが、こちらのリングは製作面での根本の発想が千本透かしの時代と似ている気がします。
ただ、デザイン的な面からいうと、ルール重視というよりはより自由な発想を元に表現をしようとしているのが伝わってきますので、千本透かしから唐草の時代へ移行する過渡期の作品かなと思います。
この時代で、このデザインに対し、ファセットカットされたオパールを使っているというところも、意表を突いてくるというか、こやつ何物？感が強く、非常に興味をそそります。
デザインや、石などが珍しすぎるが故に出てくるいくつかの疑問も湧いてきます。
ジュエリーは、おすすめできるものよりも、むしろお勧めできないものが多かったりします。
例えば、エチオピアオパール。アフリカ産のオパールですが、これは見た目には綺麗なのですが、経年劣化するという話もあり、当店では扱いたくない、自信を持って紹介できないもので入手は避けています。
もし、これがアフリカ産のオパールを乗せ換えたものであれば紹介はしない（できない）のですが、
正直、検査するまでは、これはアフリカ産のオパールではないかという不安がありましたが、
こちらは、アフリカ産のオパールではないという判断との事でしたので、私としても安心して紹介できます。
（このような感じで、パライバトルマリンだったり、ルビー、サファイア、翡翠、トルコ石だったり、安心して紹介できないものは結構多いです。）
タイトルにメキシコ産と入れさせてもらいましたが、こちらは、間違いなくメキシコ産であるという確証的なものはありません。アフリカ産でないとするならば、まず考えられるのがメキシコ産。オーストラリア産って事はなさそうだとするならば、おそらくメキシコ産であろう。という意味と、
アフリカ産ではないと判断しています。
という意味であえて入れさせてもらいました。
状況的判断ではなく、産地を特定できる手段があるならばその方法を考えたいとは思っております。
もう一つ考えられるのが、
このデザインにファセットカットされたオパールが、千本透かし、唐草の時代的にも、あまりにも異質だということです。
珍しすぎるものは、こちらの常識を揺り動かしてしまう力がありますが、何故このようなものがここに？と、考えていくと、石を乗せ換えているのではないか？？という考えが出てきます。
でも、石と石座、爪等を見た感じでは、違和感はありません。（念のため、近々職人さんに見てもらおうと思っています。）
ここで安心せずにもう一歩、二歩でも疑った先に安心してお届けできるという事になりますので、考えを進めていきます。
ただ、やっぱり、珍しすぎるという事と、ある程度の経年を経たオパールにしては状態が良すぎる。石を乗せ換えたのか？それとも丁寧に扱っていたのか？？
という面も気にはなります。
？？そうなってくると、もう一つの可能性としては、平成以降に作られたリングなのか？
という部分も、そうではないと言い切れる材料もなく、いくつかの謎が残されたリングだったりします。
刻印は
Pt900（陰刻） 370 1.00
とかまぁ、話が長々となってしまいましたが・・・
ここまで書くと、もうちょっと突き詰めて調べたい。もうちょっと自信をもってお届けできる余地があるはず！
という気持ちがムクムクと膨らんできましたので、一旦販売状態はやめときます💦
おいっ！！ここまで読ませてそれかい！！
という突っ込みはなしでお願いします💦💦
追加の文章は
https://hizenya.net/archives/19272
こちらに記載させていただこうと思っております。
・・・あと、無いとは思いますが、ご注文の予約は承らずに、こちらへの紹介時をもって再度販売状態にさせていただこうと思っております。
この文章を書いた私の数時間は戻ってきませんが、皆様に安心してお届けできるものをお届けしているという事をご理解頂けますと幸いです。
